書評

イノサンRouge 2巻の感想(ネタバレあり)


18世紀フランスに実在した、死刑執行人シャルルとその妹マリーを描いた物語。

***

もう初っ端から首が飛んでてグロいしキモイし、見開きが死体で埋め尽くされてるし、そこでその死体いる?と思うようなところが多々あるのですが、その絵の美しさといったら!ついつい線をずーっと見てしまいます。

昔の西洋絵画(レンブラントとか)って結構”美しいエログロ”という感じなのですが、それと同じものを感じます。

***

イノサンRouge2巻では、サンソン家の初代シャルル・サンソン・ド・ロンヴァルとその妻マグリットの出会いから、現在のサンソン家に至るまでの”業”が中心になっているんですが・・・とにかく初代シャルルがひどい(笑)

恋人と駆け落ちしている最中に恋人が死んでしまい、助けられた家の娘(マグリット)のお色気作戦にやられて、彼女こそが運命の人だ!という変わり身(1回目)。

さらにマグリットに夜這いをかけようとした従兄弟を「この卑劣野郎がぁぁぁぁぁぁ」というノリでぶん殴るも、言ったそばから自分が夜這いをかけるという変わり身(2回目)。

マグリットが処刑人の娘と知り、ビビって変わり身(3回目)。

わかっちゃいるけど快楽に溺れて、変わり身(4回目)。

マグリットとの交際を上司に咎められて愛を貫くために退職したものの、やっぱり処刑人の仕事できません、という変わり身(5回目)

舌の根もかわかぬうちに、やっぱり処刑人がんばる、という変わり身(6回目)

結婚がマグリットの策略だったと知りマグリットを殺害(したと思われる)変わり身(7回目)。

これほどすばやい変わり身ができるのは、初代シャルルか茂造じいさんくらいなんじゃないかと思いますが、非常に人間らしいといえば人間らしいです。

***

そんな初代シャルルのチキンっぷりを「ダッセー」と一蹴してくれるのが、われらがマリー。あいかわらずマリーさん、かっこいいです。マッドマックス 怒りのデス・ロードのシャーリーズ・セロンみたいな髪型になっちゃったけどかっこいいです。でもわたしはモヒカンの方が好きです。

この漫画にでてくる男性陣が、揃いも揃って情けなさ男なのに対して、女性陣はとても強いですね。
マリーはもちろん、おばあさま、そして元祖サムソンの女・マグリットは、ラスボスかと思うような風情です。ホラーゲームのだったら、間違いなく最後の最後で「おまえが元凶か−!!」つって倒されるキャラですよ。

そんな中、処刑人の家に生まれた女達の呪縛と怨念を断ち切り、自由に思うまま生きようとするマリーは、とても気高くて美しく、何度も言うけどかっこいい。

Rougeは「女の生き方」というのもひとつのテーマなんでしょうね。とと姉ちゃんですね(違)

***

7月19日に発売されるイノサンRouge3巻には、首飾り事件のジャンヌがでてくるようです。巻末予告でジャンヌのビジュアル見ましたが、クリムトのユディトみたいでステキ。ようやくフランス革命に向かって進みはじめるのかな?楽しみです。

ところで坂本眞一氏のインスタグラムで、作画風景が公開されてるんですが、これがまぁ、すごいの一言に尽きます。全デジタルでこの描画って、もう変態やろ。(褒め言葉)

PAGE TOP